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チベットの子ども村  その4

TCVで撮った子どもたちの写真でお気に入りの中から3枚お見せします。
たまたまこの3人ともテンジンという名前を持っています。

ホーム7のテンジン・ユウロは15歳、みんなのお姉さんのような存在です。やさしい笑顔が印象的です。チベット・ラサ近郊の町ロカで3人姉妹の末っ子として生まれましたが、2000年の春、姉妹のひとりでもチベットの文化と宗教を学んでほしいという両親の考えでインドに亡命して来ました。ネパールの国境の町・ダムまでは中国公安の検問を逃れ車のシートに隠れるようにして来たそうです。そこから歩いてネパール領の安全な地域までたどり着きました。まだ6歳だったユウロは両親と離れて遠い旅に出ることがとても不安だったそうです。いまでも両親とふたりの姉さんはロカと北京に住んでいます。

家族には会いたいけど、いまはインドで学ぶことが大事なことだから・・・と語る15歳の少女。勉強がはかどるとエキサイティングな気持ちになると微笑みながら語ってくれました。理科系の科目が大好きで、将来はお医者さんになりたいそうです。

ホーム7に通った最後の日に子どもたちに月桃の絵のカードやTシャツをプレゼントしました。ユウロが手にしているのは彼女が選んでくれたカードです。

テンジン・パルデンは2年生。ちょっと前の日記でホーム7の部屋でひとり写ってた男の子です。その時は髪の毛がありましたが、この時は丸坊主にされていました。頭のてっぺんに大きなおできが出来ていたのです。

パルデンはダラムサラ近くのカングラ地方で生まれ2年前小学校に入るときにTCVに預けられました。もの静かですが何故かとても気になる男の子です。

ある時、夕ごはんが終わってカメラマンの野田さんと悪のりして子どもたちを集めて「歌え!踊れ!遊べ!」みたいな感じになったとき、さっきまで丸坊主でおとなしかったパルデンがいきなり毛糸の帽子を目深にかぶって登場して、あれよという間にブレイクダンスを始めたのです。いやあ、あっけにとられたの何のって、すごくリズム感があってメチャうまいんですよ。みんなやんやの喝采で盛り上がりましたね。パルデンはひとしきり踊ったあと、何事もなかったように部屋から出ていきました。いい顔した男の子でしょ。

テンジン・パルモはとても美しい少女です。
最初会ったときには、みんなから離れてひとりでいることが多く、どこか寂しげな表情ときりっとした佇まいがふたりのおっさんの胸をハラハラと打ち、思わずチベット難民の子どもたちの学校を取材するという崇高なミッションを忘れて、自ら少年時代に還ってしまったかのような錯覚に陥った・・・なんてことは断じてありませんから・・・。

パルモに次に会ったときには、少女らしい明るさを取り戻していました。仲間と楽しそうに遊んでいる時の表情がまたよくて、その写真は次回に・・・。この日は当番だったのか、かなり重そうなUSAのバケツ缶に入ったゴミをゴミ捨て場に運びに行ってる途中に撮ったのがこの写真です。我ながら傑作だと思わずにはいられません。(こんなに重そうなバケツを運んでる少女を見て、おまえは手伝おうともせず、シャッターを押していたのか?!という批判は甘んじて受けます・・・事実です、スイマセン・・・)

「チベットの子ども村」日記では次回までで15枚の写真をお見せするつもりでしたが、懐かしく素晴らしい表情の写真が多いのでもう少し続けさせてくださいね。彼らの表情の向こう側にチベットの悲劇の現実があるということも、重ねて見ていただけたら嬉しいです。
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by kuukuu_minami | 2009-04-28 22:37


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